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ある意味教育の賜物
++ある意味教育の賜物++
新しい作品です。
ものっそくだらない小ネタです。
完全にふざけてます。私が。
それでもいいよって心の広い方募集中(笑
+ + + + + + + + + + +
それは誰のせいというでもなく
皆の教育の賜物・・・とでも言えばいいのだろうか。
もの凄く、良く言えば。
赤子は可愛い。
そりゃもう可愛い。
特に昌浩は、父母にとって遅くに授かった子で、
兄2人にとって年の離れた末弟で、
祖父にとって念願の後継で、
ついでに祖母に似た面差しは愛らしい。
ここまで揃えばそりゃ可愛がられる。
これだけ可愛がられ、昌浩が素直に育ったのは
ある意味奇跡とでも言えばいいのか。
ご機嫌の時間が長い昌浩の傍には、常に誰かがいた。
父母であったり兄であったり祖父であったり人外の者であったり。
その誰を前にしても昌浩は泣かなかったし、機嫌よく笑顔を見せていた。
一体誰がやり始めたのか謎であるが、気持ちはわからないでもない。
赤子の丸くて柔らかな頬に、口付けたくなる気持ちは。
事実、それは1人ではなかったはずだ。
孫を目の中に入れても痛くないと宣言するほど溺愛している祖父だって、
昌浩は可愛いなぁと頬に口付けたことがある。
まだ幼さを残す兄2人も、可愛いよねと、ちゅっとやったことがある。
母も時折愛情を込めてそうしていたし、実は父もやったことがある。
結果は、想像に難くない。
「れーん」
幼子が、縁側に腰を下ろしていた神将に、後ろから突進してきた。
結構な勢いがあったが、逞しい男にとっては、些細な攻撃だ。
男の子なのだから、これぐらいのやんちゃはむしろ歓迎すべきだろう。
「昌浩」
抱きついてきた小さな身体を抱え上げて、腕に座らせる。
赤子の時分から比べたら、大きくなった。
とは言え、まだまだ小さな身体は、片手で抱えるに十分な軽さだった。
「れん、あのねぇ」
くりくりっとした大きな目で、昌浩は紅蓮を見上げた。
どうしたと問いかける紅蓮の頬に、ぷちゅっと与えられた口付け。
「だいすきー」
えへへーっと笑う幼子に、紅蓮は言葉を失った。
家族の温かな愛情に育てられた末っ子は、大きな勘違いを覚えてしまっていた。
曰く、『“大好き”“可愛い”といった言葉には、口付けが付き物なのだ。』と。
その後、十二神将最強を誇る男は、うんうんと悩んでいた。
果たしてこのまま育って大丈夫なのか、と。
そんな男の悩みを露知らず、渦中の幼子は神将の腕の中、機嫌よく笑っていたそうな。
終
昌浩にはタラシの素質があると疑わない私。
ほんとごめんなさい。色々(笑